耐風圧
- IR-SX仕様の耐風圧性能
- 風が吹くと建物には風圧がかかります。風圧には正圧と負圧があり、正圧は物を押す力、負圧は物を吸い上げる力を指します。屋上防水に対しては負圧が働き、防水層を吸い上げようとします。負圧に対してのIR-SX仕様の性能を検証します。
検証モデルの設定
- 風圧力の算定基準
- 建築基準法・建築基準法施行令(第82条の5)
告示(平12建告第1454号、1458号)
- 風圧力設定モデル条件
- 沖縄県那覇市の海岸よりの距離200m以内に立地している建築物を想定
| 建物高さ | 30m |
|---|---|
| 建物の短辺方向長さ | 50m |
| 勾配 | 1/100 |
| 基準風速 | 46m/秒 |
| 地表面粗度区分 | II |
| その他 | 都市計画地域内 |

各層間の強度と、風圧力(負圧)の比較
IR-SX構法は、風による負圧を受けた場合、全体の面で負圧を受け止める、安全性の高いシステムとなっています。
| 風圧力 [a] (N/m²) | 固定強度 [b] (N/m²) 接着強度×安全率0.5※ |
耐風圧安全率 [b/a] (%) | |
|---|---|---|---|
| 中央部 | -4,390 | 81,000×0.5=40,500 134,100×0.5=67,050 |
|
| 周辺部 | -5,619 | ||
| コーナー部 | -7,551 | ||
※安全率:下地状況や諸条件により、規定の50%しか接着面積を確保できなかった場合を想定。

耐火性能と防火性能
耐火性能と防火性能
耐火構造の認定を受けるためには、建築基準法第二条7号で「政令で定める耐火性能を有するもの」と定められています。
耐火性能とは建物内で発生した火災を外部に出さず(遮炎性)、火災終了時までその建物が倒壊しないこと(非損傷性)を指します。屋根においては、火災による熱が30分間加えられた場合の耐火性能が、検証の対象となります。(アイルーフ75は、単体で耐火認定を取得)
これに対し、防火性能は近隣の火災による火の粉などにより、建物が延焼せず、また有害な発炎をしないことを指します。多くの場合、屋根はこの両方の性能を満たすことが要求されます。

防火・準防火地域とは
火災による被害を抑制するため、都市計画法に基づいて特定行政庁が定めた地域です。各地域では、建築物の面積や用途に応じて様々な建築制限が課せられています。
防火地域については建築基準法61条、準防火地域については62条に定められており、それ以外の市街地について、特定行政庁が建築基準法22条を適用するための区域を指定する場合があり、一般的にこれを法22条指定区域と称しています。

建築制限(耐火建築物と準耐火建築物)
※建築基準法において、耐火建築物とは、壁・柱・床・梁・屋根などの主要構造部を耐火構造としたもの等を、準耐火建築物は、主要構造部を準耐火構造としたもの等を指します。
※表中の準耐火建築物という表記は、その上位の耐火建築物を含みます。
※表は、防火構造やその他詳細については省略してあります。
各地域と建築制限
| 地域 | 延べ床面積 | 階数と建築物の種類 | |
|---|---|---|---|
| 防火地域(61条) | 100m²以下 | 3階建以上 耐火建築物 2階建以下 準耐火建築物 |
|
| 100m²超 | 耐火建築物 | ||
| 準防火地域(62条) | 500m²以下 | 4階建以上 耐火建築物 3階建 準耐火建築物 2階建以下 規定なし |
|
| 500m²超 1,500m²以下 |
4階建以上 耐火建築物 3階建以下 準耐火建築物 |
||
| 1,500m²超 | 耐火建築物 | ||
特種建築物と建築制限
| 用途と延べ床面積 | 建築物の種類 | |
|---|---|---|
| 病院・ホテルなどの2階部分面積300m²以上 学校・図書館などの面積2,000m²以上 百貨店・マーケットなどの2階部分の面積500m²以上 倉庫などの面積1,500m²以上 自動車修理工場・車庫などの面積150m²以上 |
準耐火建築物 | |
| ●上記に加え、以下用途を3階以上の階に設けた場合 劇場・映画館などの客席面積200m²以上 病院・ホテル・学校・図書館など(面積にかかわらず) 百貨店・マーケットなどの面積3,000m²以上 倉庫などの面積200m²以上 自動車修理工場・車庫など(面積にかかわらず) |
耐火建築物 | |
耐火性能と防火性能
建築基準法の告示では、屋根について以下のように定めています。
- 防火地域又は準防火地域内の建築物の屋根の構造方法を定める件(告示第1365号)
-
- 一 不燃材料で造るか、又はふくこと。
- 二 屋根を準耐火構造(屋外に面する部分を準不燃材料で、造ったものに限る。)とすること。
- 三 屋根を耐火構造(屋外に面する部分を準不燃材料で造ったもので、かつ、その勾配が水平面から30度以内のものに限る。)の屋外面に断熱材(ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、硬質ポリウレタンフォームその他これらに類する材料を用いたもので、その厚さの合計が50ミリメートル以下のものに限る。)及び防水材(アスファルト防水工法、塩化ビニル樹指系シート防水工法、ゴム系シート防水工法又は塗膜防水工法を用いたものに限る。)を張ったものとすること。
上記の告示第1365号の三より、下地が耐火構造であれば、アスファルト露出断熱工法の採用が可能(断熱材厚み50mmまで)であり、単体で耐火認定取得のアイルーフを下地に用いているIR-SX構法が、屋根に求められる耐火・防火性能を備えていることが確認できます。IR-SX構法は、防火地域から指定の無い地域まで、全ての地域でご採用いただけます。
断熱
完全ノンフロンの耐熱型硬質ウレタン系フォーム「三星ギルフォーム」
1. 優れた断熱性能
断熱材の断熱性能は、熱伝導率で判断することができます。
IR-SX構法に採用されているギルフォームは、建築物に用いられている各種断熱材の中でも特に低い熱伝導率(0.023W/m・k)を誇ります。これはギルフォームを構成する気泡の中に、熱伝導率が極めて低いクリーンガス(炭化水素系発泡ガス)を内包しているためです。

各種断熱材の種類と特性
| 特性 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 熱伝導率 w/m・k (kcal/m・hr・℃) |
密度 kg/m³ |
透湿系数 g/m²・hr・mmHg |
||
| 材 料 名 |
ギルフォーム | 0.023 (0.020) |
37 | 0.022 |
| ポリスチレン フォーム |
0.028 (0.024) |
35 | 0.028 | |
| ポリエチレン フォーム |
0.037 (0.032) |
30 | 0.005以下 | |
| グラスウール | 0.044以下 (0.038以下) |
40 | 非常に大きい | |
| 0.042以下 (0.036以下) |
64 | |||
| ロックウール | 0.044以下 (0.038以下) |
40~100 | 非常に大きい | |
2. オゾン破壊係数ゼロ
フロンガスは1928年に発明され、冷蔵庫などの冷媒や半導体の洗浄剤等、広く利用されてきました。断熱材も発泡剤としてフロン系ガスを使用していました。
しかしフロンガスによるオゾン層破壊のメカニズムが確認されて以降は、徐々に代替品への切替が進んでいます。
ギルフォームは発泡剤にオゾン破壊係数ゼロ、地球温暖化係数がー桁台の炭化水素系発泡剤を使用した、完全ノンフロンの断熱材です。
- オゾン層破壊物質
- 成層圏で塩素などを放出してオゾン分子を次々に破壊する性質を持つ物質。フロンがその代表。破壊の程度はオゾン破壊係数で表される。モントリオール議定書により特に破壊力の大きい特定フロン(CFCなど)については先進国では1995年末をもって生産が禁止された。
- オゾン破壊係数
- フロンなどの物質がオゾン層を破壊する能力(強さ)を表す指標。1995年末をもって先進国で生産が禁止されたCFC11(トリクロロフルオロメタン)の能力を1とした場合の相対値で表される。
- 地球温暖化係数
- 大気中に放出された温室効果ガスなどの物質が、地球温暖化に与える効果をCO2を1として相対値として表したもの。
各種発泡剤特性一覧
| オゾン破壊係数 | 地球温暖化係数 | 熱伝導率(mW/m・K) | |
|---|---|---|---|
| 特定フロン | 0.3~1 | 4,000~9,300 | 7~8 |
| 代替フロン | 0.02~0.1 | 100~2,000 | 9~13 |
| 新代替フロン | 0 | 650~11,700 | 10~15 |
| 炭化水素系 | 0 | 1~10 | 10~20 |
| 炭酸ガス | 0 | 1 | 14.5 |
3. 優れた機械的強度
ギルフォームは18.8(N/cm²)の圧縮強度を誇ります。m²あたりに換算すると18t以上。露出防水層上での歩行による点検等で損傷する心配はありません。
※歩行の際は、ゴム底等の底が柔らかい履き物をご使用下さい。


結露抑制
一般に外断熱工法は、躯体保護と結露抑制に効果があるといわれていますが、例え外断熱工法を採用したとしても、ピスなどが断熱材を貫通すると、それが熱橋となり、外気温度を室内に呼び込んでしまった結果、ビス先などに結露を生じる場合があります。
IR-SX構法は防水層の固定にビス類を一切使用しないため、ピスが熱橋になることで発生しうる結露の心配がありません。結露水によってビスやデッキ鉄板が発錆することもなく、屋根を長期間安定した状態に保ちます。
IR-SX構法と機械的固定工法との比較
恒温恒湿試験機による、結露発生確認試験
断熱材にピスを貫通した場合と、しない場合での屋内外の気温差による結露発生状況を確認します。
恒温恒湿試験機により、屋内外を想定した状態を再現し、試験を実施。
試験条件

外気温度:-5℃
屋内温度:20℃
相対湿度:60%
断熱材:ギルフォーム35mm
ディスク径:60mm
ビス長さ:60mm
ビス径:5.5mm
試験体数:3
試験時間:24時間
試験方法

- 恒温恒湿試験機
内側
外側
試験結果
IR-SX構法
ギルフォーム表面に結露発生なし

機械的固定工法
ピス先に結露発生
3箇所計1.36g(平均0.45g/箇所)
IR-SX構法:コンビュータによる結露判定(当社開発システムによる)
設定条件屋外温度:-5℃ 屋内温度:20℃ 相対湿度:60%
| 層 | 厚さ (mm) | 温度 (℃) | 水蒸気圧 (mmHg) | 飽和水蒸気圧 (mmHg) | 結露量 (g/m²・h) |
|---|---|---|---|---|---|
| 外気側表面 | — | -5.0 | 2.5 | 3.16 | — |
| 防水層 | 6 | -4.6 | 2.5 | 3.26 | 0 |
| ギルフォーム | 50 | -4.3 | 9.18 | 3.33 | 0.02 |
| アイルーフ | 1 | 17.1 | 9.25 | 14.6 | 0 |
| 室内側表面 | — | 17.1 | 9.28 | 14.6 | — |



